MSCが北米西岸航路で横浜を復活へーCaroline Becquart上級副社長が来日会見
Mediterranean Shipping Co.(MSC)のGeneve本社でアジア発全トレードを統括するCaroline Becquart上級副社長(Senior Vice President)が来日、9月16日にエムエスシージャパン本社オフィスで会見して、現下のトレード状況やMSCとしての今後の取り組みについて語った。発言主旨は以下の通り。
▪世界的に荷動きが低迷し、アジア発/欧州向け航路では5%ほどの荷動き減で推移しているが、日本での取り扱いはむしろ増加している。日本の顧客はいったん輸送契約を交わせば、それを間違いなく履行し運賃の変動も少ない。日本カーゴはウエルカムだ。
▪わが社にとって魅力ある日本市場のポテンシャルをさらに引き出すべく、北米西岸航路のJaguarループで11月から(東航での)横浜寄港を(MaerskとのVSA協定“2M”の枠組みで)開始する方針だ。
▪(Maerskとの)2Mによる東西サービスはうまく機能している。直近の需給(積み高)予測をもとに、供給を適切にコントロールしていきたい。
▪アジア〜欧州航路の荷動きはいぜん弱含みで、急速な回復は見込めない。だが、ここ数ヵ月の(欧州への)輸入の縮小で在庫が圧縮しているため、今後はアジア積みに回復の気配が出てくるはずで、来16年は今年より良い環境になるだろう。
▪重要なのは過剰船腹の適切な削減だが、現在はまだ不十分。各社の直近業績悪化を受け10月には削減が進み、運賃修復も実現するだろう。11月以降も続けたい。
▪大型新造船の発注計画については、現時点で追加の計画はない。これまでの発注(Alphalinerデータによる発注残は52隻/68万1066TEU)で十分と考えている。船型については、2万TEU型より大型化することは、物理的には可能だろうが、ターミナル容量やフィーダー接続を考慮すると、(これ以上の大型化は)適切ではない。
▪将来有望な市場としては、政情などの問題もあるがアフリカ・マーケットに注目している。ターミナル関連会社のTIL社を通じ、Lome(トーゴ)に新CTを建設しており、同港をハブとして西アフリカ全域の効率的なネットワーク構築を図っていく。
上級副社長の会見に先立って、エムエスシージャパンの甲斐督英社長がMSCの戦略をプレゼンし、「MSCは本社がサービス・プロバイダとしてネットワーク構築を行い、われわれローカル・エージェントは各国市場でカスタマーサービス・プロバイダとして顧客に正確で迅速な情報を伝えるという明確な役割分担が行われている。それが機能するかは、強固な組織と強いリーダーシップが重要で、MSCは“人が財産”という方針で成功を収めてきた」などと述べた。
写真は(向かって左から)甲斐督英社長、Becquart上級副社長、一緒に来日した本社のJacob Buschardtアジア発/北米航路マネージャー、嵩原伊都子エムエスシージャパン最高執行責任者(COO)。
