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Global RoRo Communityがセミナー、GHG排出量算定ガイドラインを説明

 外航RoRo船のGHG(温室効果ガス)排出量算定の標準化、脱炭素化の推進などを目的とした国際イニシアチブGlobal RoRo Community(GRC)は11月28日に東京都内でセミナーを開催した。

 GRCは、物流セクターにおける脱炭素化を推進するオランダの非営利団体Smart Freight Centre(SFC)傘下に2024年4月に設立された国際組織で、世界の主要な船社11社が加盟している。参画する11社は、RoRo船および自動車船事業者全体の約80%(運航席数ベース)を占める。

 今回のセミナーは、GRCに加盟するEastern Car Liner/川崎汽船/商船三井/日本郵船/Wallenius Wilhelmsen ASA/日本海事協会(NK)の6社共催で、オンライン参加を合わせ約160名が参加した。セミナーでは、国際海事機関(IMO)のネットゼロフレームワーク(NZF)や法規制の最新動向/GRCのGHG排出量算定ガイドラインの詳細/スコープ3の排出量計算方法/RoRo・自動車船による海上輸送の脱炭素化について、船社・物流会社・商社・港湾関係者らによるパネル・ディスカッションなどが行われた。

 NKの山口欣弥常務理事は開会のあいさつで、「GRCガイダンスは各社で異なっていた算定方法を整理し、公正・透明・シンプルな枠組みを構築することを目的に作成された。RoRo輸送におけるGHG排出量算定の共通基盤を整備するための重要な第一歩になる」と述べた。

 GRCが策定したRoRo船におけるGHG排出原単位(貨物1トンを1km輸送する際にどの程度のGHGが発生するかを示す係数)の算定ガイドラインは、貨物・旅客輸送における排出量の算定に焦点を当てた国際規格ISO 14083およびGLEC(Global Logistics Emissions Council)に準拠したもの。その基礎概念は、輸送事業者が排出原単位を算出し、荷主側はその排出原単位に輸送した貨物量(トン)と輸送距離(km)を乗じてGHG排出量を算定する、としている。

 GRCは、同ガイドラインに記載されたGHG排出量算定方法を用いて、GRC加盟11社の全航路平均の排出原単位を業界のベンチマークとして一般開示する方針とした。「この共通の算定方法により、荷主はスコープ3排出量を正確に把握できるようになり、海運業界の脱炭素化の一層の促進を目指す」としている。

Last Updated : 2025/12/05
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