Nippon Expressホールディングスのグループ会社である日本通運は、高性能保冷輸送器材「プロテクトBOXサーマル」を開発した。
同機材(写真)は、タイガー魔法瓶および岐阜プラスチック工業との協業で開発したもので、現在開催中の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において各パビリオンや飲食店への保冷貨物輸送に活用される。万博会期中も機材の検証を継続していき、来26年度から販売開始予定。
新機材は、タイガー魔法瓶が開発した、パネル内部を真空状態にすることで熱伝導を非常に低く抑えた高性能な断熱材であるステンレス密封真空断熱パネルを使用し、この断熱パネルに岐阜プラスチック工業の軽量・高強度素材の樹脂製ハニカムパネルを複合させて断熱ユニットパネルとした。
日本通運は、この断熱ユニットパネルを同社既存のプロテクトBOXに採用することで、貨物自体の温度で庫内温度を維持したまま輸送が可能なプロテクトBOXサーマルを開発したもの。断熱ユニットパネルの使用によって、従来型の温度維持に必須だった蓄冷材や蓄熱材が不要となり、電力使用量の大幅な削減を実現した。
また、輸送単位をプロテクトBOXにすることで、ドライ貨物と保冷貨物の積み合わせ輸送が可能となることで保冷車両が不要となるため、輸送の効率化および電力使用量とCO2排出量の削減にもつながるとしている。
