Maerskはこのほど、定期用船パートナーである船主約50社と提携し、約200隻の船舶に大規模な改修を施すプログラムを開始したと発表した。
同プログラムは、燃費効率と貨物積載量を向上させることで、コストと温室効果ガス(GHG)排出量の削減を図るもの。
Maerskは「長期的には燃料転換が不可欠だが、短期的には既存船の効率化が有力な手段」としている。
Maerskと船主パートナーはすでに、1500件以上の改修を実施済みで、さらに1000件のプロジェクトが2027年までに完了する予定。これらの投資費用は、Maerskと船主が共同で出資する。
改修については、主にプロペラまたはバルバスバウ(球状船首)の交換を中心に実施される。造波抵抗を最適化するバルバスバウの導入により、船体周囲の水流を整え、抵抗を軽減させる。プロペラ交換とプレスワール装置を組み合わせて推力を最大化し、エネルギー損失を抑えるとしている。
加えて、補助エンジンの排熱回収システムの改修や、軸発電機システムの設置により燃料削減につなげる。また、操舵室やラッシングブリッジ(デッキ上でコンテナを積み上げるための補強構造)を高く設定するほか、コンテナ積載システムの機能向上により、積載効率を高める。